ワークライフバランスってどんなこと?

ワークライフバランス(work-life balance)は、一般的には「仕事と生活の調和」と直訳されます。
バランス…というと、どうしても「両者を天秤にかける」とか、「何対何の割合がベスト!?」というような解釈をされがちなのですが、単純にそう言い切れるものではありません。ワークとライフ、実際には密接に関係しているものですから、両者をはっきりと区別することも難しいでしょう。
みなさんのライフステージや仕事の状況に応じて、ワークの比重が高くなる時期、ライフに重点が置かれる時期…いろいろあると思います。
ワークライフバランスは、それぞれが置かれた状況の中で、自分自身にふさわしいバランスをコントロールし、仕事でも、それ以外の場面でも、責任をしっかり果たしながら、豊かで充実した人生を送っていくことだと考えます。

植物が生き生きと成長するように

wlb_zu1土と植物をイメージしてみてください。植物は、健康な土と、適度な水、太陽などの光によって、生き生きと成長していきます。ワークとライフの関係も、この関係に似ています。土台となるライフ=土が豊かでないと、ワーク=植物が立派に伸びていきません。水や光など、養分を補給できる適切な環境にいなければ、丈夫に育つこともできないのです。
適度なインプットがあってこそ、質の高いアウトプットにつながります。
ワークライフバランスが実現することによって、豊かな人間性が培われ、それが仕事にも生かされ、より高い付加価値を創造する。それが回り回って自分自身の生活にも好影響をもたらす。自分にも、周りにも良い触発が起き、win-winで成長していくのです。

人生を豊かにするワークライフバランス

ワークライフバランス、というと、「早帰りすること」とか「仕事が中途半端になる」というイメージを持っていませんか。
ワークライフバランスの実現には、限られた時間(定時)で、仕事をやり遂げることがカギになります。「中途半端に仕事を終わらせて帰る」のではなく、「制限時間内に結果を出して帰る」ということです。
実際にやってみると、すごくシビアです。
仕事に入る前から、段取りを考え、作業時間を見積もり、予定に沿って実行していく。それでも想定外の横やり仕事は発生します。それに対応しつつ、日ごろ培ったスキルやノウハウを駆使して、短時間で質の高い仕事を片付けていくことが求められます。
非常に密度の濃い仕事時間になりますが、終業時刻になれば、さっと帰り、その後は自分のための時間に割り当てることができます。
こうした生活を続けていくと、仕事の方では短時間で高いパフォーマンス力、判断力を身につけることができますし、プライベートの方では家族や友人との時間、自己研鑽、趣味・スポーツ、ボランティア…などなど、いろんな活動や経験を積むことができます。
家庭生活での何気ない経験が、仕事でのアイデア創出に結びついたり、仕事での管理職経験が、地域スポーツでのマネジメントに生かされたり、なんてこともよくあります。経験や人脈が豊かになることで、ワークもライフも一層充実していくことが期待されます。
長時間、机に張り付く日々から、そろそろ卒業しませんか?

経営戦略としてのワークライフバランス

経営者の方から「ワークライフバランスに取り組まなければならないことは理屈としてわかるが、それだけじゃ儲からないでしょ?」という意見を聞くことがあります。
本当にそうでしょうか?
「ワークライフバランスが実現している企業は、もともと余裕のある会社」とも言われますが、逆にワークライフバランスが実現しているからこそ、良質な人材が集まり、かつ定着し(採用コスト減)、高い付加価値を創造し、収益に結びついている―ということも言えるかもしれません。ニワトリか、タマゴか、の世界ですが…。
戦後の高度成長期を経て、今もなお「長時間働ける人材がいい」という意識は根強く残っています。
しかし、少子高齢化が進み、労働力人口が減少し続ける日本で、それはもはや「幻想」となっています。
ここにいち早く気付いた経営者は、従来型の評価を見直し、働きやすい環境を整え、時間あたりの生産性で評価する方針に舵を切っています。
新卒学生の就職活動でも、ワークライフバランスを重視する人が増えてきました。ブラック企業はすっかり敬遠され、人材難で経営難に陥っています。
ワークライフバランス企業は、現実にはシビアさも要求されますが、基本的には「人材を大切にする企業」です。その姿勢が共有されることで、社員のモチベーションや貢献意欲がアップし、人材の定着率アップにつながります。もちろん、社会に対するイメージアップにもつながり、優秀な人材がさらに集まってくるでしょう。
ダイバーシティ(多様性の受容)とも言われますが、多様なメンバーが集まる組織は、変化に対応できる強さとしなやかさを兼ね備えています。人口減少時代において、男性女性、既婚未婚、障がいの有無、その他いろんなバックグラウンドを持った人々が集い、それぞれに能力を発揮できる職場づくりが求められています。

実現に向けた取り組みをサポート

○ 組織向け

・    研修、セミナー

ワークライフバランスは、実践したもの勝ち! 企業経営にも、従業員の皆さまにも、また社会にとってもメリットのある取り組みです。いちはやく重要性に気づき、実践することで、企業全体の前進につなげましょう。

(テーマ例)

  • 「なぜ今ワークライフバランスなのか」
  • 「企業が伸びるワークライフバランス」
  • 「チームのモチベーションが上がるワークライフバランス」
  • 「経営戦略としてのワークライフバランス」
  • 「仕事と育児・介護との両立」

※ 組織が抱える課題や対象に応じて、テーマ設定のアレンジが可能です。

・    コンサルティング

ワークライフバランス実現に向けた取り組みが、単なる「かけ声」に終わっていませんか? 組織の現状を分析し、問題点を抽出することで、取り組むべき課題が見えてきます。日々何気なく進めている業務の在り方に、多くの問題が潜んでいます。その問題は、客観的な立場からリサーチすることで、より明確に表出するものです。御社の状況に即した効果的な対策を探り出し、改善に向け一緒に取り組んでいきます。

○ 個人向け

・研修、セミナー

今の働き方に満足している人がどれだけいるでしょうか? どうにかしたい…と薄々感じていても、どうすることもできず、悶々としながら日々を過ごしている方も、多いかもしれません。
キャリアを継続する中で、障害となるかもしれない「育児」「介護」などのライフイベント。これらも、事前の心構えや段取り次第で、負担を軽減することは可能です。
これからの人生、仕事もプライベートも充実したものにするために、カギになってくるのが「ワークライフバランス」の考え方です。正しい概念を理解し、行動に移すことで、その後の成長カーブが大きく変わるはずです。
(テーマ例)

  • 「社会人として羽ばたくための、ワークライフバランス基礎知識」
  • 「ママキャリライフの歩き方」
  • 「子育て経験が、なぜキャリアアップにつながるのか」
  • 「仕事と介護、安全安心に両立するコツ」
  • 「時短で倍の成果を上げる段取り術」
・個別コーチング

 ワークもライフも手一杯で、頭を抱えている方に、問題解決のためのお手伝いをしています。これからの人生設計やキャリアについて、あらためて考えてみませんか。5年先、10年先の未来をイメージすることで、今自分がどうあるべきかが見えてきます。
現在のワーク・ライフの現状や課題を整理するとともに、将来どうなりたいかを見据えながら、進むべき方向性を一緒に探っていきます。

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